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パターン認識とは?AI・機械学習との関係性や活用例を紹介

AI分野のパターン認識とは、特定のルールに従い、AIがデータを分類分け・抽出する技術のことです。しかし、機械学習と似た概念なので、「パターン認識と機械学習の違い」を詳しく知らない方も多いのではないでしょうか。

そこで今回は、パターン認識の概要や仕組み、機械学習との違い、具体的な事例を解説します。業務改善や新規プロジェクトの推進に役立つので、ぜひ参考にしてください。

この記事をおすすめする人
  • パターン認識技術の導入を検討している経営者の方
  • データ分析部門の担当者の方
  • マーケティング部門の担当者の方

パターン認識とは?【特定ルールを認識してデータを抽出】

パターン認識とは、音声・画像・文字など、大量のデータ群(ビッグデータ)の中から特定のルールを認識してデータを抽出する技術です。パターン認識の構造により、AIは複雑なデータを効率的に解析し、予測や判断を実施できます。

 従来は、人間が直感的に情報を識別していたので、多大な工数や漏れが発生するケースがありました。パターン認識の活用により、複雑なデータを高精度に予測・判別できるようになりました。

 パターン認識のプロセスでは、抽出対象のデータの特徴をAIに学習させ、正しいデータを判定できる仕組みが取り入れられています。参考データがある学習手法は「教師あり学習」と呼ばれ、AIが正確な判断をするための基盤となっています。

パターン認識の仕組み・処理の流れ

パターン認識は、複数の工程に分かれて進行します。以下では、パターン認識の処理の流れを「前処理」「特徴の抽出」「認識」に分けて解説します。

前処理:不具合の除去

パターン認識の「前処理」では、対象の画像・音声などのデータをデジタル化し、ノイズや不具合の除去を行います。前処理が不十分だと、次の「特徴の抽出・認識」の工程で正確な判断が難しくなるので、全体の性能に直結する重要な工程です。

 適切な前処理を実施することで、AIが理解しやすいデータが用意され、全体の精度やパフォーマンスの向上につながります。

特徴の抽出:データの特徴を明確化

データの前処理の次に実施する「特徴の抽出」では、前処理で整えたデータを解析に必要な特徴に沿い、数値化します。

 特徴の抽出で得られた数値データの集合は「特徴ベクトル」と呼ばれ、データ同士の比較や分類を行う土台となります。正確な特徴の抽出は、システム全体の性能に大きく影響します。

認識:特徴を分類

特徴の抽出の次に実施する「認識」の工程では、抽出された特徴ベクトルを基に、各「クラス(あらかじめ設定する分類分け)」にデータを分類します。

膨大なデータの分類作業を手作業で行うのは困難なので、機械学習を使った分類分けが一般的です。特に、教師あり学習を導入することで、効率的かつ正確に分類が実施され、高い精度での認識が可能です。

パターン認識と機械学習の違い・関係

パターン認識と機械学習は、データ分析の対象と手法が異なります。以下でパターン認識と機械学習の違いと関係を解説します。

違い:データ分析の対象

パターン認識と機械学習は、データ分析の対象が異なります。機械学習は、データから抽出された数式や記号を基に、対象データの処理・分析を行います。一方でパターン認識は、顔・物体などの数値化が難しい情報も「パターン」で認識し、抽出できます。

関係:パターン認識は機械学習の一部

一般的にパターン認識は、機械学習の一分野です。機械学習では、AIが教師データを基に規則性・特徴を学習する際、パターン認識の手法も取り入れると、複雑な法則性を見つけることができます。

パターン認識×機械学習はAI性能を向上できる

パターン認識と機械学習の組み合わせは、高精度なデータ分類・予測ができ、教師あり学習の手法が使われることが一般的です。まず学習用の画像データが必要となります。

 この画像データには、正解を示す「ラベル」があります。AIがラベル付き教師データを用いて学習して正確なパターンの認識・分類を学習すると、性能がさらに向上します。

 AIと機械学習の関係性、教師あり学習について詳しくは、「▶AIと機械学習の違いは?人工知能の定義・分類・活用例を解説」を参考にしてください。

パターン認識が使われる事例・分野

パターン認識が使われる分野は、主に画像認識・音声認識・文字認識です。ここからは、パターン認識が使われる事例・分野を紹介します。

画像認識:顔・指紋・虹彩を認識する

顔・指紋・色彩など、画像内の情報をパターン認識で分析することで、セキュリティシステムを構築できます。代表的なものに顔認証システムがあり、高度な本人確認を実現しています。

 また、瞳孔周辺の模様生を利用した虹彩認識では、年齢による顔の変化にも対応でき、生涯変化しない目の色で本人確認ができます。

音声認識:感情分析が可能

対話中の感情を読み取れる技術に「感情分析」があり、声色や口調を参考に感情を推測できます。感情分析により、AIは顧客の感情に合わせて接客できるようになりました。

 そのほか勘定分析は、AI搭載のスマートスピーカーにも音声認識技術が活用されています。

文字認識:文字を認識しルール・法則を導出する

文字認識とは、文字情報をデジタルデータに変換できる技術です。文字認識をAIと組み合わせると、文字データの抽出を自動化でき、正確性・業務効率が大幅に向上します。

業務のDX化が進む近年、文字認識はドキュメント管理システムや翻訳システムで不可欠な技術です。

パターン認識を活用したAIサービス

パターン認識技術は、さまざまなAIサービスに活用されています。ここからは、パターン認識がどのようにAIサービスで活用されているかを解説します。

画像認識・画像解析:画像診断ができる

医療分野の画像診断システムは、医師のサポートツールとして注目されています。画像診断ができるので、疾患の早期発見・治療計画の策定がすぐにできます。

 また、工業分野では、製造ラインでの不良品検出など、品質管理の面で実用化が進んでいます。

顔認証:鮮明な画像が撮影できる

顔認証は、主にスマホのロック解除や写真撮影時のオートフォーカスなどに使われています。事前に顔画像を学習させる仕組みにより、セキュリティ分野での活用が進んでいます。

また、顔認証技術は個人の行動解析やマーケティングデータの収集にも利用され、ユーザーの嗜好や動向の把握ができます。ターゲット層に合わせたサービスの提供・効果的な広告戦略の策定ができます。

音声認識:予知保全・議事録作成

音声認識は主に音声のテキスト化に使用されていますが、会話内容をテキスト化するだけでなく、機械音や環境音から異常を検出できる「異常検知」「予知保全システム」にも使われています。

AIを用いた異常検知や予知保全を行うことで、故障の予兆を早期に察知し、適切なタイミングで修理や交換を実施できます。これにより、コスト削減や作業員の業務負担の軽減が期待できます

まとめ

今回は、パターン認識の基本概念や仕組み、機械学習との違いや関係、具体的な事例・サービスを解説しました。パターン認識は、AIや機械学習の進化とともに、今後も多くの分野で活用が期待されます。

活用事例として画像認識(顔・指紋・虹彩)、音声認識(感情分析)、文字認識があります。医療分野の画像診断やスマートフォンの顔認証、機械の異常検知などで使われており、業務効率化・セキュリティ向上に役立ちます。

この記事のまとめ
  • パターン認識とは、大量の音声・画像データから特定ルールを認識してデータを抽出すること
  • パターン認識は、「前処理」でノイズ除去、「特徴の抽出」でデータの数値化、「認識」で機械学習による分類という流れ
  • パターン認識の活用事例として、顔・指紋・虹彩などの画像認識、感情分析などの音声認識、文字認識が挙げられる
記事の監修

代表取締役村越 聖人

代表取締役村越 聖人

2006年からエンジニアにてデジタル業界でのキャリアをスタート。
大小様々なWebシステム開発およびシステム運用保守を経験。

フルスタックエンジニアとして上流から下流工程まで一連の業務を担当するとともに、サーバー設計、構築、運用設計などのサーバー管理者業務も兼任。

近年は、顧客折衝を含む提案型営業からDMP絡みのデータ分析業務をはじめ、プロジェクトの全体統括・SEなど業務要件に合わせたポジショニングで顧客ニーズの最大化を図るサービス提案を実施。

新規事業で立ち上げた自社サービスにて、発明者として特許取得。

2019年5月 株式会社glorious future 設立。