Webサービスのアイデアを出すには、どのようなやり方があるのでしょうか。この記事では、Webサービスのアイデアの出し方やアイデアを出すコツを、そして、アイデアを出した後に考えることやWebサービス開発の注意点などを解説します。
Webサービスのアイデアを出すには?
Webサービスのアイデアを出すには、どのような方法が有効なのでしょうか。
日常におけるニーズを洗い出す
まず挙げられるのは、普段の日常におけるニーズを洗い出すことです。多くのWebサービスは「何らかの問題を解決するため」に作られるものなので、ニーズを洗い出すことによりWebサービスのアイデアを得られるかもしれません。
たとえば、下記のような例が考えられます。
- 収支管理の手間を省きたいから経理システムを開発
- 書類管理の手間を省きたいからペーパーレスシステムを開発
- ユーザーとのコミュニティを築きたいからコミュニケーションサービスを開発
事業のためのWebサービスを開発するにあたっては、まず事業にどのような問題や課題が生じているかに目を向けましょう。その着想を深掘りすることで、問題解決のための効率的なWebサービスのイメージが得られます。
ワークフローや行動パターンなどから逆算する
次に挙げられるのは、ワークフローや行動パターンから逆算するやり方です。業務にはさまざまなワークフローが存在しますが、それらを精査し「より効率的な手法はないか」を考えることでWebサービスのアイデアが得られるかもしれません。
たとえば「書類の提出とチェックを包括的に管理できるWebサービス」や「複数人で遠隔的に共同作業が可能なWebサービス」などが考えられます。同様に、行動パターンから逆算することでも同じような着想が得られるでしょう。
もちろん前提として、Webサービスを組み込むことによりプロセスが効率化されなければなりません。Webサービスを活用することで逆に効率を落としてしまっては、開発にかけた費用や労力が無駄になってしまうからです。
既に世に出ているサービスに目を向ける
既に世に出ているサービスに目を向けることで、Webサービスのアイデアを得ることができるでしょう。テクノロジーの進歩により、現代ではさまざまなWebサービスが開発されているからです。
全てのWebサービスを網羅することはできませんが、気になるジャンルのものをいくつかピックアップしてみてはいかがでしょうか。完成品を眺めることで、自分が作りたいWebサービスに必要な機能や適したUIのイメージを掴むことができるでしょう。
しかし、参考にしすぎてただの模倣品になってしまってはいけません。社内のみで活用する分には問題は少ないかもしれませんが、外部に公開する場合は注意が必要です。
アイデアを出すコツ
続いて、アイデアを出すコツについてもう少し具体的に解説します。アイデアの出し方は千差万別ですが、迷った場合は下記を意識してみて下さい。
斬新なものを求めすぎない
Webサービスにはそれぞれ特色がありますが、あまり斬新なものを求めすぎると発想や開発の足を引っ張ってしまいます。「作るからには誰も真似できないようなオリジナリティを」という気持ちになるかもしれませんが、Webサービスの本質は問題や課題の解決です。
極端に言えば、問題や課題を解決できるのであればオリジナリティは不要です。作ったものを市販するのであればある程度の差別化は必要かもしれませんが、斬新すぎる必要はないでしょう。
斬新さを求めすぎず問題や課題の解決にフィーチャーすることで、使いやすく汎用的なWebサービスのアイデアが得られます。
日頃から問題意識を持つ
日頃から常に問題意識を持つことにより、Webサービスのアイデアが出やすくなるかもしれません。Webサービスの多くは既存の問題や課題を解決するために作られるからです。
とはいえ、問題や課題はただ雑然と日々を過ごしているだけでは見つけにくいものです。問題や課題を余すところなく発見するためにも、日頃から問題意識を持っておくことが大事です。
ロジカルに課題解決する癖をつける
普段からロジカルに課題解決する癖をつけることで、Webサービスのアイデア出しに貢献するかもしれません。ロジカルシンキングのプロセスをそのままWebサービスの仕組みや機能に当てはめることができるからです。
たとえば、下記のようなものが挙げられます。
毎日の食事を用意するのが大変なので手間を減らしたい
↓
食事の手間は「材料の買い出し」「調理」「洗い物」に分割できる
↓
「材料の買い出し」を軽減するにはネットスーパーの利用
「調理」の手間を軽減するには自動調理器の導入
「洗い物」の手間を軽減するには食器洗浄機の導入などが考えられる
シンプルな例ですが、こういった思考を癖にしているとWebサービスの具体的なアイデアを出しやすくなります。
アイデアを出した後はどうする?
良いアイデアが出た後はどのように形にすればいいのでしょうか。続いて、アイデアを出した後の工程について解説します。
アイデアの実現可能性を探る
まずは、出たアイデアの実現可能性を探りましょう。いくら良いアイデアが出たとしても、あまりに非現実な場合は候補から外します。
たとえば「コミュニケーションを円滑にするために人の意思を読み取り相手に伝えるサービス」は、現時点では実現が困難です。実現が不可能なものを形にする労力を払うより、実現可能性が高いものにリソースを振った方が効率的なのは言うまでもありません。
合わせて、開発が成功した際の効用を測るのも大事です。実現可能性が高くとも、実現した後にあまり役に立たないWebサービスを作る意味は乏しいからです。
重要性や実現度の高いものは開発を検討する
出たアイデアの中で、重要性や実現度の高いものは開発を検討してみる価値があります。実際に開発する場合はそれなりの費用や手間がかかるため、何でもかんでも安易に開発するのは難しいでしょう。
そういう体制を構築するのも不可能ではありませんが、慣れないうちは重要度と実現度および効用から判断して絞り込むことをおすすめします。
運用シミュレーションをしてみる
開発を検討しているWebサービスの運用シミュレーションをすることで見えてくるものも多いのではないでしょうか。実際のサービスがないのにどのようにシミュレーションするかが問題にはなりますが、そこを深掘りすることでWebサービスの具体的なイメージに繋がるかもしれません。
あるいは、簡単なプロトタイプを作って小規模にテストするのも手です。現実がシミュレーション通りにいくことは稀ですが、何もしないよりは本番運用を想定してから開発した方がスムーズです。
Webサービスはどうやって開発する?
では次に、Webサービスの具体的な開発について解説します。
自社のみで開発が難しい場合は開発業者に依頼する
自社で開発できる技術力があれば内製可能ですが、そうでない場合は開発業者に依頼するのが一般的です。開発業者に依頼するメリットとしては、下記のようなものが挙げられるでしょう。
- 自社で補うことのできない知見を得られる
- 高品質で安定稼働するシステムが得られる
- 開発のリソースを他に回せる
開発業者は高い技術力を有していることが期待されるため、自社が持ってない知見を得ることが可能です。そして、高い技術力を駆使して高品質かつ安定稼働するWebサービスを開発してくれるでしょう。
加えて、自社で開発しない場合は開発するためのリソースを他に割くことができます。開発のための人員を雇う必要がなく、人材最適化を図れると言えるかもしれません。
実際の開発は開発業者に委ねることが多い
開発業者に依頼する場合、実際の開発は相手方に委ねることが多いでしょう。自社がITについて明るくない場合は、プロに任せた方が高品質なサービスを得やすいからです。
Webサービスは、さまざまな工程を経て開発されます。大まかに言うと「仕様を固め実装しテストして納品する」になりますが、技術力の高い開発業者ほど再現性の高いプロセスを構築しています。
そこに割って入ると、せっかくの高品質なプロセスが崩れてしまいかねません。100%他力本願というわけではありませんが、プロに依頼する以上はある程度任せてしまった方が効率的です。
自社は打ち合わせや要件定義、確認などで開発に参加する
では、依頼主である自社はWebサービスの開発に関してノータッチで問題ないのでしょうか。明確に仕様が固まっている場合はそれでも構わないかもしれませんが、一般的には開発業者と打ち合わせし要件定義を行い、必要に応じて進捗を確認するなどの関与が必要です。
特に重要なのは要件定義でしょう。要件定義でWebサービスのさまざまな仕様を固めるため、細かな要望等はここでしっかりと伝えておく必要があります。
基本的に、一度固まった仕様を変えるのは困難です。後から「こんなはずじゃなかった」とならないよう、開発業者とのコミュニケーションを疎かにしないよう気をつけましょう。
Webサービス開発における注意点
続いて、Webサービス開発における注意点について解説します。Webサービス開発の流れや工程は千差万別ですが、下記のようなポイントを押さえることでスムーズに開発を行えるかもしれません。
信頼できる開発業者を探そう
Webサービスの開発を開発業者に委託する場合、信頼できる業者を見つけることが大事です。少々極論かもしれませんが、技術力が高く信頼のおける開発業者に依頼することができれば、Webサービスの開発はほぼ成功と言えるかもしれません。
では、具体的にどのような開発業者を探せば良いのでしょうか。判断基準は状況によって色々ですが、一例として下記のようなものが挙げられます。
- 価格のみで判断しない
- 自社が求めるWebサービスに明るい
安価なものにすぐに飛びつくのは控えたいところです。安価なものが全て悪いわけではありませんが、価格が安いことには何かしらの理由があるかもしれません。
また、一口にWebサービスと言ってもさまざまな分野に分かれています。そのため、自社が開発したいWebサービスに豊富な知見と実績を有している開発業者が好ましいでしょう。
一度決まった仕様を覆すのは難しいため、要望をしっかりと伝えよう
Webサービスは決まった仕様に基づいて開発されるため、要件定義の際に要望をしっかりと伝えることが大事です。「これくらいは言わなくても理解してくれるだろう」と思う場面もあるかもしれませんが、可能な限り言語化して相手に伝えることをおすすめします。
一般的に、要望として言語化されないものは求められてないものだと認識されるからです。その点、コミュニケーションがスムーズな開発業者に依頼することで要望を伝えやすくなります。
開発終了=終わりではない
Webサービスの開発が無事終了したら、納品後に本番運用となります。自社にとっては、ここからがスタートと言っても過言ではありません。
Webサービスは、実際に使って成果を出してこそ意味をなすものです。Webサービス開発の源泉には、何らかの問題や課題解決があったことを思い返しましょう。
開発したWebサービスを活用し、失敗や改善を繰り返して問題や課題を解決するのが本来の目的です。加えて、運用しているWebサービスには保守やメンテナンスが必要なので、その点も考慮しなければなりません。
まとめ
Webサービスのアイデアを出すには、日々の問題意識の向上やロジカルシンキングなどが効果的です。Webサービスは何らかの問題や課題を解決するために作られるものであり、そのための手法はロジックで構成されるからです。
自社のニーズを明確にし信頼できる開発業者を見つけ、スムーズなWebサービス開発を目指しましょう。