Tableauの「フィルター」機能を使うことで、膨大なデータを条件に沿って絞り込むことが可能です。フィルターを使うことで、より早くデータを分析できるようになります。
しかし、Tableauのフィルターには、抽出フィルターやデータソースフィルターなどの種類があるので、それぞれの特徴にあわせて使い分ける必要があります。
そこで今回は、Tableauのフィルターの種類や使い分け、適用方法、実行順序、便利ポイントを解説します。Tableauのフィルターを使うことで、データ分析の効率性を上昇できるので、参考にしてください。
Tableauのフィルターとは?【データの絞り込み機能】
Tableauのフィルターとは、データの絞り込みと視覚化ができる基本機能です。フィルターを活用すれば、大量のデータから必要な情報を抽出し、分析の精度を高められます。
抽出条件を自由に設定できるので、用途に応じたデータ抽出も可能です。売上データや顧客情報など、必要なデータのみを抽出することで、視覚的にわかりやすいグラフやダッシュボードを作成できます。

Tableauの概要や詳しい使い方を知りたい方は以下の記事をご覧ください。
「Tableau(タブロー)の使い方を実践しながらわかりやすく解説」
フィルターの種類・使い分け
Tableauには、用途や目的に応じたさまざまなフィルターが用意されています。ここからは、各フィルターの特徴と使い分けを解説します。
抽出フィルター:条件に合致するデータを抽出
抽出フィルターは、設定した条件に合致するデータのみを抽出するフィルターです。データソースからデータを取得する際に、抽出フィルターを使うことで不要なデータを除外できます。

データソースフィルター:データソース全体で条件を設定
データソースフィルターは、データソース全体(全てのシートが対象)に対して条件を設定するフィルターです。また、データをシートに読み込む前に使用することで、フィルター適用前の試験的な用途としても活用できます。

コンテキストフィルター:シートごとに前処理を設定
コンテキストフィルターは、シートごとに前処理を設定できるフィルターです。フィルターの実行順序を明確にすることで、意図した絞り込み結果を得やすくなります。また、シート上で扱うデータのサイズを小さくし、パフォーマンスを向上させる目的で活用できます。

ディメンションフィルター:カテゴリや属性などの条件を設定
ディメンションフィルターは、ディメンション情報(カテゴリ/属性など)を基に、データを絞り込むフィルターです。操作はシンプルで、フィルターシェルフ(ディメンションを一時保管できる場所)に対象フィールド(表示条件)をドラッグすることで適用できます。

メジャーフィルター:数値指標(メジャー)で抽出
メジャーフィルターは、数値指標(メジャー)に対してしきい値などの条件を設定し、データを抽出するフィルターです。計算結果の変動にあわせた設定が可能なので、売上や利益などのデータを対象とする場合に役立ちます。

表計算フィルター:表計算形式でデータを抽出
表計算フィルターは、表計算形式(条件を作成し、計算や表示を行える機能)でデータを抽出するフィルターです。計算式を利用した条件設定が可能なので、複雑なデータ分析に対応できます。主に、グラフの範囲制限や値の表示・非表示などに活用されます。

フィルターの基本的な適用方法
Tableauのフィルターは、ユーザーが直感的に操作できるように設計されています。ここからは、フィルターの基本的な適用方法を解説します。
データポイントを選択してフィルターする
代表的なフィルターの適用方法が、データポイント(計測結果から得られた情報)を選択してフィルターを行う方法です。
グラフ上の特定のデータポイントを直接クリックすると、そのデータに関連する情報のみを抽出できます。視覚的に操作できるので、初心者でも関連する値や表示項目を素早く絞り込めます。
ヘッダーを選択してフィルターする
行や列のヘッダーをクリックすることで、関連する全データを一括でフィルターできます。また、複数のヘッダーを同時に選択すると、グループ単位でデータをまとめることも可能です。
フィルターシェルフにドラッグ&ドロップする
フィルターシェルフにドラッグ&ドロップする方法も、よく使われる適用方法です。対象フィールドをフィルターシェルフドラッグ&ドロップすることで、自動的にフィルターが適用されます。この方法は、複雑な抽出条件を視覚的に整理する際に便利です。
インタラクティブフィルターを表示する
ダッシュボード上にインタラクティブフィルター(表示する情報を選択できる機能)を表示し、データを抽出することも可能です。この方法では、条件を変更しながらリアルタイムで結果を確認できます。必要な情報へ素早くアクセスできる点が魅力です。
フィルターカードを設定する
フィルターカードは、カード形式で表示する方法です。カードごとに個別設定が可能で、操作性と視認性が向上します。これにより、複数のフィルター条件を一括把握し、効率的にデータを抽出できます。
フィルターの実行順序
Tableauのフィルターは、正しい順序でフィルターを適用することで、意図した通りのデータ抽出が行われ、誤った結果表示を防げます。ここからは、フィルターの実行順序を解説します。
フィルターが適用される順番
Tableauのフィルターは、以下の1~6の順番で行います。
順番 | フィルター | 処理 |
1 | 抽出フィルター |
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2 | データソースフィルター |
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3 | コンテキストフィルター |
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| セット・条件フィルター・topN・FIXED LOD表現 |
4 | ディメンションフィルター |
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| INCLUDE・EXCLUDE・ブレンド |
5 | メジャーフィルター |
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| 表計算 |
6 | 表計算フィルター |
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| リファレンスライン |
最初にデータ量を減らすために、抽出フィルターやデータソースフィルターを活用します。その後、他のフィルターを順番どおりに実行します。実行順序を間違えると、予期せぬ結果になる可能性があるので、注意して行う必要があります。
フィルターの優先順位を明確にする方法
フィルターの優先順位を明確にする方法として、ディメンションフィルターをコンテキストフィルター(適用するデータを限定して処理する表示方法)に変換する方法があります。
コンテキストフィルターの「topN」処理で商品の販売数トップ5を抽出した後にディメンションフィルターで販売地域を絞り込むと、結果として製品数が5種類以下になります。「各地域の売上上位5品を表示したい場合」は、ディメンションフィルターをコンテキストフィルターに変換することで対応できます。
また、FIXED LOD表現(データの表示単位・粒度)を使用することで、特定のディメンションに基づく計算を固定し、フィルター適用による計算結果の変動を防ぐ手法もおすすめです。
フィルターを使いこなすためのポイント
Tableauのフィルターを効果的に適用するには、適切な設定や操作方法を理解することが重要です。また、運用が複雑な場合は、外部の専門サービスを活用することも検討するといいでしょう。
ここからは、フィルターを使いこなすためのポイントについて解説します。
適用ボタンを利用する
項目を複数選択するフィルターでは、「適用」ボタンの利用がおすすめです。これにより、ダッシュボード上で実行される際のパフォーマンスが向上します。ただし、選択のたびに読み込みが発生すると、操作性が悪く感じる方も少なくありません。
必要な値だけ取得する
全ての値を取得しようとすると、システムの処理が遅くなり、取得に時間がかかるケースがあります。たとえば、ドロップダウンやリストなどを使うと、全ての値を取得してしまいます。また、表示する値が多くなると、さらに処理速度が遅くなります。そのため、値を取得するときは、必要な値だけ取得するようにしましょう。
パフォーマンス向上を定量的に確認する
フィルター調整によるパフォーマンス向上を定量的に確認することも重要です。Tableauでは、メニューバーから「ヘルプ」→「設定とパフォーマンス」→「パフォーマンスの記録を開始」を選ぶことで、操作記録が作成されます。
パフォーマンスを調べたい操作が完了したら「設定とパフォーマンス」→「パフォーマンスの記録を停止」をクリックします。これにより、各操作のパフォーマンスを確認することが可能です。
まとめ
今回の記事では、Tableauのフィルターの意味や種類・使い分け、基本的な適用方法、実行順序、使いこなすためのポイントなどについて解説しました。
Tableauのフィルターは、膨大なデータから必要な情報を抽出し、効率的な分析を行うための機能です。
各フィルターの特徴を理解し、適切な順序や運用を行うことで、より精度の高い分析結果が得られます。運用が難しい場合は、外部の専門サービスに委託することもおすすめです。