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SQLとは?データベース言語の基礎知識・重要性を解説

記事の監修

代表取締役村越 聖人

2006年からエンジニアよりデジタル業界でのキャリアをスタート。
大小様々なWebシステム開発およびシステム運用保守を経験。

フルスタックエンジニアとして上流から下流工程まで一連の業務を担当するとともに、サーバー設計、構築、運用設計などのサーバー管理者業務も兼任。

近年は、顧客折衝を含む提案型営業からDMP絡みのデータ分析業務をはじめ、プロジェクトの全体統括・SEなど業務要件に合わせたポジショニングで顧客ニーズの最大化を図るサービス提案を実施。

新規事業で立ち上げた自社サービスにて、発明者として特許取得。

2019年5月 株式会社glorious future 設立。

2006年からエンジニアよりデジタル業界でのキャリアをスタート。
大小様々なWebシステム開発およびシステム運用保守を経験。

フルスタックエンジニアとして上流から下流工程まで一連の業務を担当するとともに、サーバー設計、構築、運用設計などのサーバー管理者業務も兼任。

近年は、顧客折衝を含む提案型営業からDMP絡みのデータ分析業務をはじめ、プロジェクトの全体統括・SEなど業務要件に合わせたポジショニングで顧客ニーズの最大化を図るサービス提案を実施。

新規事業で立ち上げた自社サービスにて、発明者として特許取得。

2019年5月 株式会社glorious future 設立。

データ分析の需要が拡大する昨今、データベースの有効活用が課題となっている企業が増えています。データベースを効果的に利用するには、その定義やアクセス方法に関するデータベース言語の知識が欠かせません。その中でも、最も代表的なデータベース言語がSQLです。

しかし、「SQLとは何?」「SQLは何ができるの?」など、SQLの概要を知らない方も多いと思います。そこで今回は、SQLの特徴やPythonとの違い、操作可能なデータベースなどについて解説します。

この記事はこんな人におすすめ
  • データ分析の基礎を学びたいビジネスパーソン
  • マーケティング部門でデータ活用を目指す担当者の方
  • 中小企業でデータベース管理を任されている方

SQL(エスキューエル/シーケル)とは?

SQL(エスキューエル/シーケル)とは、データベースを操作する言語のひとつで、多くのユーザーが活用しています。

そもそもデータベースとは、膨大な情報を体系的に整理したデジタル上の保管庫のことです。PCのデータベースは、数百万から数千万もの情報を一瞬で整理できる点がメリットです。

SQLなどのデータベース言語を活用すれば、大規模なデータから必要な項目を選び出したり修正したりできます。

SQLは普及率が高いデータベース言語

SQLは、主にデータベースにデータを挿入・検索する際に利用される言語です。SQLを使うことで、データベース内のデータを効率的に操作できます。

例えば、データの内容を変更したり、一括して名前や価格を修正したりすることが可能です。

また、SQLでは変更操作をした後、データを確定する前であればキャンセルもできます。さらに、SQLを活用することで、データの検索や複数のテーブルを結合する処理も行え、必要な情報を柔軟かつ効率的に取得できます。

ISO(国際標準化機構)で規格化

SQLは、ISO(国際標準化機構)によって世界共通の仕様として定められたデータベース操作言語です。代表的なデータベースとしては、Oracle・MySQL・PostgreSQL・SQLiteなどが挙げられ、これらのすべてでSQLを利用できます。

標準化されたSQLを使うことで、多くのデータベースを同じ方法で効率的に運用することが可能です。

SQL(データベース言語)とPython(プログラミング言語)の違い

ここからは、データベース言語のSQLとプログラミング言語のPythonの違いを解説します。

プログラミング言語は主にシステム開発を目的に使用される

Pythonなどのプログラミング言語は手続き型の言語で、プログラムの本体を作成する際に使用されます。

この言語では、与えられたデータに対してどのように反応し、どのように命令を実行するかをコンピュータに指示します。一般的に、データベース言語よりも構造が複雑であり、用途や動作環境に応じて使い分けられることが特徴です。

SQLはデータベース操作専用の言語であるのに対し、Pythonはシステム開発やデータ処理など、幅広い目的で使える汎用的なプログラミング言語です。

データ分析はSQL・開発はPythonなど目的が異なる

Pythonは汎用的なプログラミング言語であり、データの操作や解析にとどまらず、Web開発やAI、機械学習など、幅広い用途に対応しています。

一方、SQLはデータベースの操作に特化した言語であるため、Pythonのような汎用性はありません。

SQLは3種類の言語で構成

SQLは主に次の3つの言語で構成されています。

ここからは、これらの3種類の言語について解説します。

データ操作言語(Data Manipulation Language)

データ操作言語は「DML(Data Manipulation Language)」と呼ばれています。 これはデータベースを操作するための構文を指し、データベース内のデータを追加、更新、削除するなどの操作を行う際に使用されます。以下は、DMLの命令文の一例です。

SELECTデータベースからデータを抽出する
UPDATEデータを更新
DELETEデータを削除
INSERTデータを挿入
CALLストアドプロシージャやOracleストアドファンクションを呼び出す
LOCK TABLE表パーティションや表サブパーティションのアクセスを制限する
EXPLAIN PLANオプティマイザによって選択された実行計画を表示する

データ定義言語(Data Definition Language)

データ定義言語は「DDL(Data Definition Language)」と呼ばれています。 これはRDBMS(リレーショナルデータベース管理システム)で使用されるオブジェクトに対して、テーブルやインデックスの作成・削除、設定の変更などを行うための言語です。 以下は、DDLの命令文の一例です。

DROP定義したオブジェクトを削除
ALTER定義したオブジェクトの内容を変更
CREATE新しいデータベースやテーブルなどのオブジェクトを定義する
ANALYZEデータの並び順や配置などの統計情報を取得
COMMENTテーブルやカラムにコメントする
RENAMEテーブル名や列名などの変更
REVOKEユーザーIDを削除し、特定のユーザーへの権限を取り消す

データ制御言語(Data Control Language)

データ制御言語は「DCL(Data Control Language)」と呼ばれています。 これは、データベースを利用するユーザーのアクセス権を付与・制御するために使用される言語です。 また、トランザクション処理において、データの変更や確定を行う際の命令にも用いられます。以下は、DCLの命令文の一例です。

COMMITトランザクションを確定する
ROLLBACKトランザクションを取り消す
SET TRANSACTION SAVEPOINTトランザクションを設定時の状態に戻せるポイント
SAVEPOINTトランザクション内に新しいセーブポイントを確立

SQLの特徴

ここからは、SQLの特徴について解説します。使用の前に知っておくことで、より効率的にデータ分析を進められるようになります。

命令文の記述量が少ない

SQLは、対話のように文をやり取りしながら命令を実行する言語です。基本的に、シンプルな命令文をデータベースに送るだけで処理が完結します。

一方で、複雑な処理を行う場合は、データベースから返ってきた結果に応じて新たな命令文を送る、というやり取りを繰り返します。このように、データベースと対話する形で命令を進めていくのがSQLの特徴です。

アプリやシステムは制作できない

SQLは、データベースを操作するための専用言語です。アプリケーションを作成したり操作したりする機能は備わっていません。

そのため、アプリケーションやシステムを開発する際には、他のプログラムやプログラミング言語と組み合わせて使用する必要があります。

初心者でも学べる幅が広い

SQLは、初心者にも学びやすいという特徴があります。多くの人に使われている言語であるため、学習用のサイトや教材が豊富に存在します。一部のサイトでは、実際にSQLを試せる実行環境が用意されていることもあります。

また、学習中に発生した疑問点を気軽に調べられる点も大きなメリットと言えるでしょう。

SQLで操作可能なデータベース

SQLで操作可能な代表的なデータベースとして、以下の4つが挙げられます:

これらのデータベースは、それぞれ独自の仕様や特徴を持っていますが、基礎的な部分は共通しています。SQLの基本的な操作を学べば、複数のデータベースを効率よく扱うことが可能です。

ここからは、これらのSQLで操作可能なデータベースについて解説します。

MySQL:Oracle社提供のオープンソースのデータベース

MySQLは、Oracle社が開発およびサポートしているオープンソースのデータベースです。基本的には無料で利用できますが、商用利用の場合は有償となります。

MySQLの特徴として、複数のテーブルを簡単に結合できる操作性や、高速な処理性能が挙げられます。柔軟性と拡張性が高く、多様な用途に対応できる点も魅力です。

PostgreSQL:無料のオープンソースのデータベース

PostgreSQLは、オープンソースのリレーショナルデータベース管理システム(RDBMS)です。オープンソースで提供されており、すべて無料で利用できます。

PostgreSQLの特徴は、MySQLよりも高い機能性を持つ点です。使い方がやや難しい部分もありますが、その分、より多くのことが実現可能です。

例えば、プログラミング時にデータベースの処理をスムーズに組み込むことができる点が挙げられます。

Microsoft SQL Server:Microsoft社提供のデータベース

Microsoft SQL Serverは、Microsoft社が提供するリレーショナルデータベース管理システム(RDBMS)です。ExcelなどのMicrosoft製品と互換性があり、Windows環境での使用に適しています。

SQL ServerとAccessは類似したツールですが、Accessは手軽に使える小規模向けのデータベースである一方、SQL Serverはより本格的で大規模なデータベースの管理に適しています。また、Windows Serverとの相性も良く、Windows製品を利用する場合にはMicrosoft SQL ServerやAccessを選ぶのがおすすめです。

Oracle Database:Oracle社提供のデータベース

Oracle Databaseは、Oracle社が開発・販売しているリレーショナルデータベース管理システム(RDBMS)です。高度な機能と信頼性を持つ一方で、コストがかかるため、近年ではOracle DatabaseからMySQLなどのオープンソースのデータベースに移行するケースも増えています。

しかし、Oracle Databaseにはコストがかかる分、バグ対応を含む充実したサポートが提供されるという大きなメリットがあります。そのため、特に安定性やサポートが重視されるシステムで選ばれることが多いです。

まとめ

今回の記事では、SQLの意味やPythonとの違い、特徴、操作可能なデータベースなどについて解説しました。SQLは、データベースを操作するための言語です。

SQLの特徴は、シンプルな命令文で操作できる点ですが、アプリケーション開発には適していません。主要なデータベースにはMySQL、PostgreSQL、Microsoft SQL Server、Oracle Databaseがあります。

MySQLとPostgreSQLはオープンソースで、比較的低コストで利用可能です。一方、Microsoft SQL ServerはWindows環境との相性が良く、Oracle Databaseは高度な機能と充実したサポートが特長です。

この記事のまとめ
  • SQLは、データベースを操作するための専用言語でプログラミング言語とは異なる
  • SQLの特徴は命令文の記述量が少なく初心者でも学びやすい反面、アプリケーションやシステムの開発には適していない
  • SQLが使える代表的なデータベースには、MySQLやPostgreSQL、Microsoft SQL Server、Oracle Databaseが挙げられる

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