システムフロー図とは？書き方やシステム開発時の重要性を解説

システム開発を始める前に、システムフロー図を利用することで、課題の明確化や解決策の検討に役立ちます。しかし、「システムフロー図をどのように業務に組み込めばよいのかわからない」「業務フロー図との違いがわからない」と感じている方も多いのではないでしょうか。

そこで今回は、システムフロー図の導入を検討している方に向けて、システムフロー図の概要や業務フロー図との違い、書き方のポイントについて解説します。

システムフロー図とは？【システムの処理内容の図説】

システムフロー図（フローチャート）とは、プログラムの処理手順を図で表現する手法のことです。システムフロー図を用いることで、ソフトウェアによる情報の取り扱いや処理の流れを図で把握できます。

また、システムの仕組みやつながりを、分かりやすく図説することで、トラブル時の対処や引き継ぎを行いやすいというメリットもあります。

そのほか、システム構築にはシステム構成図やシステム運用の知識も重要です。
詳しくは
「▶システム構成図とは？書き方・作成の流れとおすすめのツールを解説」
「▶システム運用とは？仕事の内容やシステム保守との違いを解説」
をご覧ください。

業務フロー図との違い【業務フロー図は実作業の図説】

システム構成図と似た言葉に「業務フロー図」がありますが、こちらは業務をする上での実作業を図説したものを指します。企業や組織のプロセスを示す業務フロー図には、主に「担当者」「作業内容」「実施時期」などが記されています。

システムフロー図でソフトウェアのつながりを図説化し、業務フロー図で各業務担当者やチームごとの役割分担をすることで、組織的かつ効率的にシステム構築を進められます。

システムフロー図を作る必要性・重要性

ここからは、システムフロー図を作る必要性・重要性を解説します。

システム処理の全体の流れを理解できる

システムフロー図は、システム処理の全体の流れを理解できる優れた手法です。プロジェクトに関わる開発者や担当者が、図を通じて業務の流れを共有・理解できます。

また、システムに関係するさまざまな立場の人々が、フローを見ながら意見交換をスムーズに進められます。

システムの課題点などを特定しやすくなる

システムフロー図を描くと、プログラムの全体構造が明らかになり、工程の抜け漏れや重複が特定しやすくなります。

また、業務の流れを可視化した図面から問題点が見えやすくなり、システムの完成度が高まります。システムフロー図の作成は、システム開発の質を上げる基本的な手順といえます。

システムフロー図で使用する基本的なフローチャート記号

フローチャートの作成は、フロー内で必要となるすべての作業工程を洗い出す必要があります。工程を時系列に沿って整理し、記号や線、矢印を用いて図式化していく手順を理解することが大切です。

ここからは、システムフロー図で使用する基本的なフローチャート記号について解説します。

開始・終了（端子）

開始や終了を示す「端子」は、角の丸い四角形または楕円形で表現されます。この記号はフローチャートの始点や終点に配置され、特定の業務フローがどのように開始・終了するのかを視覚的に示す役割を担います。

これにより、プロセスの範囲や流れが一目で理解しやすくなります。

プロセス（処理）

システムのフローを書き方にはルールがあり、基本となる処理は四角い図形で表現します。記号の配置には順序があり、1つの図形には1つずつ作業内容を記入していきます。

判断（条件分岐）

システムフロー図の書き方では、判断や分岐をひし形の図形で表現していきます。フローチャートの中で「Yes・No」や「真・偽」といった選択を迫られる場面に記号を配置します。ひし形の図形から伸びる矢印は、選んだ答えに応じて次の作業に進むルートを示していきます。

線・矢印

フローチャートの書き方では、システム処理の流れを線や矢印の記号で結んで表現します。図形と図形を線でつなぐ場合は業務が同時進行していることを示しています。矢印の場合は時間軸に沿った処理の流れを説明しています。

フロー図の3つの基本構造

システムフロー図の書き方には、「順次構造」「分岐構造」「反復構造」という3つの基本的な図形パターンがあります。

図解を描く際は、記号の組み合わせ方や配置方法を理解しておくと便利です。基本的なフロー構造を理解すると、さまざまな業務の流れを表現できます。

①順次構造

システムフロー図における順次構造は、上から下へと処理が流れる単純な図解パターンを指します。書き方も簡単で、図形と記号を縦に配置して矢印でつなげば完成です。フローチャートの基本として、シンプルな作業の流れを表現できます。

②分岐構造

システムフロー図の分岐構造では、条件に応じて処理が異なる場合をひし形の記号で表現します。図解の書き方としては、選択肢ごとに異なる図形へと矢印を引いていきます。

フローチャートでよく見る形で、switch・case文やif・else文のような判断を示しています。

③反復構造

システムフロー図における反復構造は、条件付きの繰り返し処理を表す基本的な図形パターンです。図解の書き方には、判断用のひし形記号やループ専用の記号を活用する2通りの方法があります。

フローチャートでは、for文やwhile文（前置き判定）、do while文（後置き文）のような反復命令を矢印の向きで示していきます。

システムフロー図の書き方・作成時のポイント

システムフロー図の書き方とポイントは以下の通りです。

ここからは、それぞれの工程について詳しく解説していきます。

フローチャートをページ内に収める

1つのページにシステムフロー図を配置すると、各処理の関連性が明確になります。図形や記号で示された業務の流れを見渡せるため、システム全体の把握がスムーズです。

フローの書き方には制限があり、ページをまたぐような大きな図面ではフローの連携が見えづらくなってしまいます。区切りの良い箇所で分割し、複数のフローチャートに整理するのがベストな選択肢といえます。

見やすさ・理解のしやすさを意識する

システムフロー図は、色数を抑えめにすると読み手の理解を助けられます。書き方のポイントとして、図形や記号は統一感のある大きさで配置するのが効果的です。

フローを描く際は、要素と要素の間に余白をしっかり設けます。システムの説明文は簡潔な表現にとどめ、図の見やすさを優先します。

記号や図形を重ねないようにする

システムフロー図では、図形や記号を離して配置すると見やすくなります。フローの要素が互いに重なってしまう場合は、書き方を見直す余地があります。

システムの流れを示す矢印は、他の図形との間隔を十分に確保します。複雑なフロー構成は読み手の理解を妨げやすいため、図をシンプルに整理します。記号の数を必要最小限に留めると、分かりやすい図に仕上がります。

まとめ

今回の記事では、システムフロー図の概要や業務フロー図との違い、システムフロー図を作る必要性・重要性、書き方のポイントなどについて解説しました。システムフロー図は、プログラムの処理手順を図解で表現する手法です。

業務フロー図が実作業の流れを示すのに対し、システムフロー図はソフトウェアの情報処理を可視化します。基本的な記号には、開始・終了を表す端子、処理を示す四角形、判断を表すひし形などがあります。

また、順次構造、分岐構造、反復構造という3つの基本パターンを組み合わせて作成します。作成時は1ページ内に収めることを意識し、図形や記号を重ねないよう配置します。色使いを抑え、要素間に適切な余白を設けることで、読み手の理解を促進できます。シンプルで見やすい図解を心がけることで、システム開発の質向上につながります。

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